Roadie's Closetについて
「今日、何を着て走ればいいか分からない」—— ロードバイク乗りなら誰もが経験する悩みです。
Roadie's Closetは、そんなサイクリストの「服装選び」を科学的にサポートするための無料ツールです。
なぜ「普通の天気予報」ではロードバイクの服装を決められないのか
「明日は最高気温15℃」。テレビの天気予報を見て、長袖ジャージにビブショーツで家を出たら、峠の頂上で凍えて後悔した —— この経験があるサイクリストは多いはずです。
ロードバイクの服装選びが難しい最大の理由は、「気温」だけでは体感温度がまったく読めないことにあります。時速30kmで走るサイクリストの身体には常に風が当たり続けます。気温15℃でも風速5m/sの環境では体感温度は約10℃まで下がります。さらにダウンヒルでは時速50km以上の風が直撃し、汗で濡れたジャージが急速に体温を奪います。
加えて、ルート上の標高差も無視できません。標高が100m上がるごとに気温は約0.6℃低下します。平地でスタートして標高1,000mの峠を越えるルートでは、スタート地点とピークで約6℃の気温差が生じます。これは「半袖で快適」と「長袖+ジレが必要」の境界に相当する差です。
そして見落とされがちなのが出発時刻と走行時間です。朝6時に出発するライドと、昼12時に出発するライドでは、同じルートでも体感温度に5〜8℃の差が出ることがあります。午前中は冬装備が必要でも、昼前には半袖で汗だくになる —— この「寒暖差」にどう対応するかが、快適なライドの鍵です。
Roadie's Closetが裏側で計算していること
Roadie's Closetは、出発地と目的地を入力するだけで、ルート上の複数地点の気象データを時間帯別に取得し、走行中に遭遇する最悪のコンディションを自動で特定します。
① 多地点・時間帯別の気象データ取得
ルート上のスタート・経由地・ゴールの各地点について、出発時刻から走行時間に合わせた時間帯ごとの気温・風速・降水確率・雲量を取得します。OpenWeather APIとOpen-Meteo APIを併用し、1時間ごとの詳細な予報データを使用しています。
② 標高補正と実効体感温度(Real Feel)
Open-Meteo Elevation APIから各地点の標高を取得し、山間部での気温低下を補正します。さらに、風速と走行速度を組み合わせた実効体感温度(Real Feel)を算出。これにより「ルート上で最も寒い地点」と「最も暑い地点」を特定し、両方に対応できる装備を提案します。
③ Thermal Balance(サーマルバランス)エンジン
Roadie's Closet独自の「Thermal Balance」エンジンが、環境の体感温度に対してウェアの保温力と運動による発熱量を足し合わせ、「走行中の身体が実際に感じる温度」を予測します。Coffee Ride(ゆるポタ)とTraining(高強度)では身体の発熱量が大きく異なるため、同じ気温・同じルートでも推奨されるウェアが変わることがあります。最終的に、このサーマルバランスの値が「快適ゾーン」に入るよう、トップス・ボトムス・レイヤリング(重ね着)・レインギアを組み合わせた最適な装備を提案します。
④ 所持アイテムとの連動
「所持アイテム」に自分が持っているウェアを登録しておくと、「すでに持っているもの」と「買い足すべきもの」が一目でわかります。必要な装備を持っていない場合のみ購入リンクを表示するため、無駄な出費を防げます。
サイクリストがやりがちな「服装の失敗」3パターン
1. 「山頂で凍える」パターン
平地の気温だけを見て出発し、ヒルクライムの頂上で強風と低温に直撃されるケースです。登りでは発汗で身体が濡れているため、山頂で停止した瞬間から急速に体温が奪われます。特に標高差500m以上のルートでは、スタート地点と山頂で3℃以上の気温差が生まれます。防風ジレやウィンドブレーカーをバックポケットに忍ばせておくだけで、このリスクは大幅に軽減できます。Roadie's Closetは標高差を自動で計算し、このような「ダウンヒル対策アイテム」が必要かどうかを判定します。
2. 「厚着しすぎて汗だく」パターン
朝の気温だけを見て厚着で出発し、日中に気温が上がって大量に発汗。汗で濡れたウェアが休憩時に体温を奪い、風邪を引く —— いわゆる「汗冷え」です。特に春と秋は朝夕と日中で8℃以上の気温差が出ることがあり、最も服装選びが難しい季節です。このツールが出発時刻と走行時間を重視するのは、ライド中の気温変化を予測するためです。「朝は冬用、昼前からは脱げるレイヤリング」という組み合わせを自動で提案します。
3. 「末端だけ足りない」パターン
ジャケットとタイツは完璧なのに、グローブが薄くて指がかじかみ、ブレーキが握れなくなる。あるいはシューズカバーを忘れて、足先の感覚がなくなる。体幹の装備は気にしても、手先・足先・耳・首といった末端の防寒を見落とすパターンです。末端は血流が届きにくく、体幹以上に冷えを感じやすい部位です。Roadie's Closetは体感温度に応じて、グローブの厚さ(指切り・薄手長指・厚手冬用の3段階)、シューズカバーの有無、ネックウォーマーの要否、イヤーカバーの必要性まで細かく提案します。
主な機能
- リアルタイム天気データ:OpenWeather API・Open-Meteo APIから各地点の1時間ごとの予報データを取得。気温・風速・降水確率・雲量を総合的に分析します。
- ルート全体の天気考慮:出発地点だけでなく、ルート上の複数地点の天気を取得。山頂の冷え込みや平地と峠の気温差など、「一番寒い地点」を特定します。
- 具体的なアイテム提案:ベースレイヤー・ジャージ・アウター・グローブ・レッグウォーマーなど、具体的なアイテムの組み合わせを提案します。
- GPXファイル対応:StravaやGarmin ConnectからエクスポートしたGPXファイルをアップロードすると、実際のルートに沿った判定が可能です。
開発の経緯
Roadie's Closetは、「ライドの前日に服装で悩む時間をゼロにしたい」という一人のロードバイク乗りの思いから生まれました。
天気予報を見て、過去の経験と勘で服装を決めて、結局寒すぎたり暑すぎたりする。SNSで「明日何を着ればいい?」と聞いても、走る場所も時間も強度も違うから参考にならない。サイクルウェアのメーカーサイトには「5℃〜10℃対応」と書いてあるけど、自分のルートで実際に何度になるのかがわからない —— そんな不満を解決するために開発しました。
リアルタイムの気象API、標高データ、独自のサーマルバランスアルゴリズムを組み合わせることで、「あなたのルート、あなたの出発時刻、あなたの走り方」に合わせたパーソナライズされた服装提案を実現しています。すべての機能は無料で利用でき、ユーザー登録も不要です。
快適なライドは、正しい服装選びから始まります。もう「着すぎた」「足りなかった」と後悔する必要はありません。
運営者について
開発者:あつ
鹿児島県在住のロードバイク愛好家。休日は桜島一周を中心に走っています。
開発への思い:
「自分が本当に欲しいツール」を作ることをコンセプトに、2026年2月にリリースしました。過去に山の頂上で凍えた経験から、同じ失敗をするサイクリストを減らしたいという思いでこのアルゴリズムを組んでいます。
使用技術・データソース
- 天気データ:OpenWeather API・Open-Meteo API
- ジオコーディング:Open-Meteo Geocoding API・BigDataCloud
- 標高データ:Open-Meteo Elevation API
- フロントエンド:Node.js・Express・EJS・Tailwind CSS
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